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奄美の島人(シマンチュ)の年末年始の過ごし方

「ウワンフネヤセ」「三献」ってなに?

お正月の伝承と由来は地域によって様々です。皆さんはどのように過ごされますか?

大晦日には、新年の準備を整えて「年越し蕎麦」をいただくのがという方がほとんどではないでしょうか。奄美大島では年越しの料理といえば「ウワンフネヤセ」。年越し蕎麦は食べず、「ウワンフネヤセ」(塩豚肉と野菜の煮物)を食べ家族そろって新年を迎えるのがシマンチュ(島人)の習わしです。
奄美の言葉では「ウヮ」=豚、「フネ」=骨、「ヤセ」=野菜なので、豚骨野菜という意味で「塩漬けした骨付きの豚肉と野菜を煮たお料理」のことを指します。

冷蔵庫がない時代から、塩漬け肉は保存食として世界各地にありますが「ウワンフネ」もその一つです。シンプルな塩味で味わい深い奄美のソウルフードです。

 

奄美の正月料理「三献」について

正月料理といえばおせち料理や雑煮ですが、奄美地域では「三献」を食べます。神様やご先祖様にも献上する供物です。

◆お屠蘇    …黒糖焼酎

◆ 一の膳(赤椀) …お吸い物 (餅、白身魚、海老、玉子、かまぼこなど)

◆ 二の膳    …お刺身 (白身魚など)

◆ 三の膳(黒椀)…お吸い物 (鶏肉、野菜)

● シュームリ(塩盛)…塩・するめ・昆布

お正月は家族全員が床の間に正座し、厳粛な雰囲気の中での朝三献から始まります。

元旦の朝、家長の「オショウロ(さしあげましょう)」の掛け声で三献の儀式ははじまります。一の膳、二の膳、三の膳の順番で食べ、一膳食べるごとに家族全員にお屠蘇(黒糖焼酎)の杯を回して飲みます。食事がすむと、家長からひとりひとりに「今年も健康で頑張るように」と声をかけながら昆布とスルメに塩をつけたものを手のひらでもらい受け、一連の儀式は終了です。その際、新年の抱負を発表するご家庭もあるようです。

安政の大獄で幕府から目を付けられた西郷隆盛が奄美大島に身を潜めた際、大島随一の名家の娘である愛加那(あいかな)と結婚し、その際、「三献」で祝言をあげたといわれています。

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奄美ハナハナでは2024年~2025年の年末年始にご宿泊のお客様に「奄美ハナハナ年越し御膳(ウワンフネヤセと年越しそば)」と奄美のお正月料理「三献(さんごん)とおせち料理」をご用意させていただきます。奄美ならではのお正月を食す体験と本土の従来通りのお正月の両方をお楽しみいただけます。

 

一年の疲れを癒しごゆっくりとお寛ぎいただき、年の瀬から新年を気持ちよく迎えられますよう、心をこめておもてなしいたします。よいお年をお迎えください。

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